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トンレサップ湖と寄付-アンコールワット旅行記[カンボジア・シェムリアップ]

 トンレサップ湖のクルーズは20代のお兄さんの親切なガイドで、おれはすっかり満足感にひたっていた。

 
 
そして学校に案内してくれるという。さらに、子供たちに寄付をしてくれないかと言ってきた。お金ではなく、文房具や食料を差し入れてほしいと言われて、船上学校の隣にある「雑貨船」へ行く。
 
 
村の小さな食料から日用品まで揃う雑貨店である。20人分の教科書と鉛筆が20ドル。カップ面15人分が20ドル。どう考えても、モノに合わない価格である。おまけに、カップめんの寄付を勧めてくる。ここら辺から、いろんな疑念が渦巻き始める。
 
 
猛烈に悩む。ガイドのお兄さんは、本当に気持ちだけでいいからと言う。(実はこのとき、30ドルしか持ってなかった)。結局、いろんな疑念は消えないけど、ひょっとしたらという気持ちで、教科書と鉛筆セットを買った。
 
そして、先ほどの品物を携えて学校を訪問する。
 
 
授業が中断されて申し訳ないと思いつつ、ガイドに言われるがままに先生に直接、教科書とノートを渡して記念写真まで撮ってくれる。
 
もはや、まったく予想していなかった展開で状況が飲みこめなかった。ただ観光にふらっと来たはずだったのに、学校を訪問して寄付をして教室の前で紹介されている自分がよくわからなかった。
 
 
この寄付の流れは、非常にシステマチックだった。しかも、金銭ではなくモノに変えて贈ることで、直接役立てそうだという気持ちになる。よく考えたものだ。本当に役立ってくれればいいけれど・・・疑念でいっぱいである。
 
 おそらく、贈った教科書セットも再び雑貨店に戻され、また観光客が買って学校に贈られるという循環をしているのではないか。このサイクルで現金を得るビジネスのように思う。現金収入を得る、彼らなりの懸命な努力とも捉えられるが、その現金がどう使われているかは不明だ。
 
水上生活の中心はベトナム人である。公的機関から十分な支援が得られていないだろう(推測)背景も考えると複雑である
 
 
クルーズは、トンレサップ湖の開けるところまでいき折り返した。帰り際、学校で寄付する欧米人を見かけた。なかなかこのビジネスは好調のようである。お土産店によって、休憩。
 
 
帰りは、これ警察に捕まらないのかな・・・っとクルーズ船を運転させてくれるサービス付き。。そして下船直前、ガイドが同情を誘うように「僕たちは船会社からほとんど給料をもらえない。学校に通うには月20ドル必要だ。チップとしてくれないか」という。もう嫌気がさしたので理解できないふりをした。何度も説明してくる。そして「着岸するまでに渡してほしい」と笑顔で言ってきた。(おれでも1時間20ドルのバイト経験はない)
 
 
彼の丁寧なガイドには感謝していたので、船を降りてからポケットにあった2ドル渡してさよなら!
 
クルーズ自体は非常に快適だったし、景色もきれいだった。村の生活や湖の様子も丁寧に教えてくれた。僕の質問にもどんどん答えてくれたガイドのお兄さんはナイスガイである。そういう顧客を満足させてお金を得るなら、もっと気持ちのいいトンレサップ湖クルーズだったのにな。
 
 
これは勉強になった。1人旅の話のネタがまた増えた。
 
途上国を旅すると必ず寄付を求められる。こういう場面でどう接したらいいのか。これは、自分の感性との自問の繰り返しのように思う。一切拒否する人もいれば、その人の風貌や雰囲気などから精一杯感じとって、よしっと思ったら気持ちに従う。
 
 僕は基本的にはスルー。でも時々、なにかと心に止まった瞬間がある。その時は、後者のような感じだった。この感性の闘いも、旅行で得られる醍醐味だという言葉でくくっては安易だろうか。